こんにちは、総合調査事務所アイスターオフィスです。
探偵に依頼すれば何でも調べてくれる、というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、実際にはそうではありません。探偵業法の施行以降、適正な業務を行う探偵社では、依頼内容によってはお断りするケースもあります。
今回は、探偵がお受けできない調査依頼について解説し、調査依頼を検討される方の参考になる情報をお伝えします。
探偵業法と適正な業務について
探偵業法が施行される以前は、探偵社によっては依頼内容を問わず引き受けるケースもありました。しかし、現在では多くの探偵社が探偵業法を順守し、適正な業務を行っています。
探偵業法の主な目的は以下の通りです:
- 探偵業の業務の適正化:ルールを守って業務を行うこと。嘘ををついたり、違法行為はしないこと
- 依頼者等の保護:費用のことや調査の内容を説明して、安心して頼めるようにすること
- 個人の権利利益の保護:一人ひとりの大切な権利を守ること(個人情報、名誉、平穏な生活等)
- 公共の安全と秩序の維持:みんなが安心して暮らせる社会を守ること
これらの目的に沿って、探偵社は依頼内容を慎重に検討し、適切に対応する必要があります。
慌てて契約することの危険かも
探偵への調査依頼は、慎重に行う必要があります。特に注意が必要なのは、以下のようなケースです:
- 契約書なしの口頭契約
- 電話のみでの契約
- 緊急時の慌てた契約
稀にお客様よりご要望がありますが、これらのケースでは、後々トラブルになる可能性が高くなります。探偵業法では、お客様との面談による打ち合わせ、契約内容の説明、そして調査委任契約書の作成が必要とされています。
電話だけの口頭契約で調査を引き受けることは、探偵業法違反となる可能性があります。また、緊急時の慌てた契約は、お客様と探偵社の間で認識の違いが生じやすく、トラブルの元となります。
緊急調査の難しさと注意点
緊急調査とは、事前の予約なしに、お客様からの緊急連絡に応じて調査現場に向かうことを指します。原則として、事前に調査契約を結んでいることが前提となります。
しかし、新規のお客様からの緊急調査依頼には、以下のような問題があります:
- 調査体制を整える時間がない
- 対象者の情報が不十分
- 準備不足による調査失敗のリスク
- 調査発覚やトラブルの可能性
例えば、「ラブホテルから出てくる妻を撮ってほしい」という緊急依頼があったとしましょう。このような場合、以下の理由から適切な調査が困難です:
- 事前の下見調査ができない
- 十分な調査員を確保できない
- 対象者の特徴や行動パターンが不明
- 法的リスクの確認が不十分
結果として、お客様の期待に応えられず、調査料金の支払いをめぐってトラブルになる可能性が高くなります。
法律や倫理に反する依頼はNG
探偵社は、法律を遵守し、倫理的に問題のない調査のみを受託します。
以下のような目的の調査は、一般的にお断りされます:
- 犯罪目的や社会的差別に利用する調査
- ストーカー行為に利用する調査
- 配偶者からの暴力被害者の所在を探す調査
- 盗聴・盗撮を目的とした調査
- 別れさせ工作や復讐を目的とした調査
- その他、公序良俗に反する目的の調査
これらの依頼は、法律違反や人権侵害につながる可能性が高いため、信頼できる探偵社では必ずお断りします。
物理的・状況的に不可能なこともあります
お客様のご要望に沿えない場合もあります。
例えば
- 過去の出来事の証拠収集
- 技術的に撮影が不可能な状況での撮影依頼
- 特定できていない人物に関する調査
過去の浮気の証拠を集めてほしいという依頼は、物理的に不可能です。また、立ち入り禁止区域での撮影など、技術的・法的に不可能な依頼もお断りすることになります。
お客様の状況によってはお断りすることも
弊社では、調査の成功と共に、お客様の安全や権利も守る必要があります。以下のような場合、調査をお断りすることがあります:
- 強度の精神疾患が疑われる場合
- 情緒不安定でコミュニケーションが困難な場合
- 連絡手段が確保できない場合
- 他の探偵社と並行して依頼している場合
- 現在、受けている調査案件に支障をきたす可能性がある場合
これらの状況では、適切な調査の実施や、結果の報告が困難になる可能性があります。また、お客様自身の安全や権利を守るためにも、慎重な判断が必要となります。
トラブル回避のための注意点
探偵への依頼でトラブルを避けるために、以下の点に注意しましょう:
- 信頼できる探偵社を選ぶ
- 事前に十分な相談と打ち合わせを行う
- 契約内容をよく確認し、不明点は質問する
- 緊急時の慌てた依頼は避ける
- 法律や倫理に反する依頼は絶対に行わない
- 調査の限界や制約について理解する
特に、新規のお客様からの緊急調査依頼は、トラブルのリスクが高いため、多くの探偵社ではお断りしています。次の機会に向けて準備を整え、計画的に依頼することをお勧めします。
まとめ
私たちのような多くの探偵社は、お客様のご要望にできる限り応えたいと考えています。しかし、法律や倫理、そして調査の実現可能性を考慮し、場合によってはお断りすることもあります。これは、お客様と探偵社の双方を守るためでもあります。
探偵への調査依頼を検討される際は、以下の点を心がけましょう:
- 冷静な判断を心がける
- 十分な情報収集と相談を行う
- 契約内容をしっかり確認する
- 探偵社の説明をよく聞き、理解する
- 無理な要求や違法な依頼は避ける
信頼できる探偵社は、お客様の状況を十分に理解した上で、実行可能で適切な調査プランを提案します。お互いの信頼関係を築きながら、問題解決に向けて協力していくことが大切です。
探偵への依頼は、人生の重要な決断に関わることも多いです。慎重に、そして賢明に判断し、適切な探偵社を選ぶことで、望む結果を得られる可能性が高まります。
不安なことや疑問点があれば、遠慮なく私たち総合調査事務所アイスターオフィスに相談してみてください。お客様の立場に立って、最善のアドバイスに努めます。