「どんな依頼でも引き受けてくれそう」
ドラマに出てくるイメージなどから、探偵業をそんな風に捉えている人はきっと多いのではないでしょうか。
ですが、探偵は決して裏社会の職業などでは無く、厳しい法律や規制で「依頼できること」は制限されています。
今日は、そんな探偵について正しく理解する為にも仕事内容をいくつか紹介したいと思います。
探偵にできること
探偵は探偵業法に則り、聞き込みや張り込み・尾行などの3つの調査手段を用いながら、特定人物の調査を行います。
素行調査では、調査対象者の行動を確認することで、交友関係や立ち寄り先を調べて行きます。
浮気調査では、張り込みをしながら浮気相手とのツーショット写真を撮影し、交際している様子などを記録して証拠を押さえ、浮気相手の身元なども調べます。
調査の多くは配偶者や恋人の浮気調査ですが、婚約者や我が子の交際相手の素行調査、社員(従業員)が信頼できる人物かどうか調べて欲しい等、依頼内容は多岐にわたります。
探偵にできないこと
浮気調査や素行調査でも法律に違反する調査手段を使うことは、探偵事務所に依頼することはできません。
例えば、ストーカー行為を目的とした素行調査や夫婦や恋人を意図的に別れさせる依頼(別れさせ屋)などの犯罪に繋がる依頼や、差別や偏見を伴う素行調査も「できなこと」に分類されます。
また、探偵業界には、調査業協会などの業界団体の定めた独自ルールがあります。
法律以外にも倫理網領や自主規制を定め、人権尊重や秘密保持に情報の不正入手の禁止など、探偵業界の適正化を図っているのです。
映画やドラマの影響で誤解される探偵の調査方法
探偵に出来ることと出来ないことの境界線について考えると、多くの場合「探偵にできないこと」が意外とあることに驚く人もいます。
普段探偵と接する機会がほとんどない人にとって、映画やテレビドラマで見る探偵が、そのイメージ作りに大きく影響していることの表れでしょう。
ただ映画やドラマというのはストーリー性を重視するため、本来探偵が出来ないようなこと、してはいけないことを、当たり前のようにしていることも少なくありません。
例えば調査対象の相手の家を突き止める手段として、オートロックのマンションを住人を追ってすり抜けたり、窓から侵入したりすることは現実的にはNGです。
ルールを守る探偵は、マンションの外で聞き込みをし、対象者が帰宅するのを待ち、部屋の明かりが付いたのを確認して部屋番号を割り出していきます。
知恵と経験、工夫次第で調査を可能にしている
「探偵にできること」をただ単に実行しただけでは、調査の目的を達成することはとても難しいことです。
しかし優良な探偵というのは、探偵がしてはいけないことや法律に違反することなく、知恵と経験を元に非常に上手く調査を行います。
確かに「〇〇をしてください」という依頼を探偵が引き受けられないこともあるでしょう。
しかしあなたの本当の目的、解決したい案件の内容を伝えれば、探偵に出来ることを駆使して解決までの方法と道筋を提案してくれるはずです。